二木 直巳 '70s/'80s/'90s/'00s FUTAKI Naomi
【会期/開廊時間】
2007年4月9日(月)〜5月2日(水)
12:00〜19:00 ※日曜休廊
【作家によるテキスト】
私が1977年にはじめての小さな個展を開いてから30年になります。
もし「進化」を、単純なものから複雑多様なものへ変化してゆくこと、と定義するならば、その間の私の制作にもある
程度あてはまることかも知れません。しかし私自身はそれを進歩とは思っていません。ただ変化してきたのです。
今回は70年代、80年代、90年代、そして現在と、およそ10年ごとの未発表の紙に鉛筆、色鉛筆の作品で、その変化と
継続しているものを見ていただければと思います。
76年頃、美大彫刻科の基礎的な課程の後、私は鉄板、鉛板、ガラスなどで<Metallic rug>(メタリック・ラグ=金属の敷物)
と名付けた床置きの作品を制作し始めました。これらは即物的で幾何学的な仕事のもっとも初期のものですが、今思えば
残念なことに何点かは廃棄してしまい、残っている一部のものも保存状態は良くありません。ただし、この頃のイメージプラン
あるいは試作的なマケットとして制作した小品は、すべてではないですが比較的きれいな状態で残っていました。
久しぶりにこれらの小品を見直す中で、いくつかの自身にとって興味深いことを発見することができました。これらを
つくっていた頃は平面作品あるいは絵画として提示するという意識はなく、ただ物質の表層現象と、その差異がつくる空間への
関心によっていました。確かに現在の私は30年前には思いもよらなかった問題に関わっていますが、しかし今、この時代のもの
を見返すと、幾何学的で骨格的な構造やプロポーション、異なる物質や色相、行為と無為の並置など、今も私が引きずっている
問題と何ら変わらぬものが現れていたのです。その後77年頃から、美術が「見ること」において開示されるものである限り、
視野をさえぎり正対する平面作品がより相応しいという思いを強くし、キャンバスやパネルに事務用の粘着テープを張った作品
で絵画への指向が始まります。
表(おもて)しかない一枚の紙など存在しないように、私にとって、変化と継続は表裏一体のものなのです。
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